両親との再会

　今日もおいらは、苦手な車に乗せられた。しかも車は、まっすぐな道をすごく速く走る（高速って言うらしい）ところを通った。クレートの中で助けを呼ぶも、車の運転手は耳も貸さない。

　車はもうこりごりだ、二度と乗らない。そんなことを思っていると、何となく懐かしいような気がするところに着いた。そこには、おいらよりちょっと大きくて、おいらとよく似た犬が２匹いた。話によれば、彼らはおいらの両親なんだそうだ。そう言われても、記憶にない。でも何となく、嗅いだことのあるにおいのような……？

　こちらは父さん、そして父さんとのツーショット。威厳があって腰が抜けそうになった。

　そして、こちらは母さん。母さんは優しい感じがした。鼻をくっつけてあいさつをした。

　上手く言えないけど、何かちょっと、不思議な時間だった。おいらは小さい頃に今の家へ来たから、父さんや母さんと過ごした記憶はないけど、何となく懐かしくて、あったかかった。こんな時間が過ごせるなら、車も悪くないなって思った。

　……でも、帰りの車中で、おいらは泣き疲れてへとへとになった。

初めての千波湖

　今日のおいらは大きな湖があるところへ連れて行かれた。歩きじゃなくて、車で。

　おいらは車が苦手だ。怖くて怖くて泣き叫ぶこと15分、千波湖に辿り着いた。駐車場にはたくさんの車や、人間。初めて見る光景だ。

　やっと車から降りられてせいせいしたと思っていたら、ちょうど向かい側からおいらと同じくらい背丈の白い犬がこちらに向かって歩いてきた。おいらはうっかりワンワン吠えてしまった。咄嗟にやってしまったけど、今思えば失敗した。友達になればよかったなあ……。

　少し暑かったし、初めての場所でどきどきしたけど、湖には鯉やら鴨やらの生き物がいたし、滝や噴水もあって、結構楽しかった。ちょっとだけ涼しい風に当たりながら、たくさん歩いた。

　……でも、帰りはまた車。おいらは再び泣き叫んだ。

丸の夏休み

　夏というものはとにかく暑い。おいらはそのことを十分に理解しているつもりだ。

　ここ最近のおいらの様子を、スライドショーでご覧いただきたい。

　ひんやり気持ちいいシートの上に寝転んだり、氷をがじがじ噛んだりしている間に、真夏の青空と熱風は、おいらの傍を駆け抜けるように去っていった……。